ツール・ド・フランス観戦記 ~第2ステージ~
続いて第2ステージ観戦記です。
途中、大きな動きや波乱もあり非常に見応えのあるレースでした!!
では早速書いていきます。
第2ステージ 平坦ステージ ユトレヒト~ゼーラント 166km
今大会初の“レース”となる第2ステージはユトレヒト~ゼーラントの166kmで行われた。
コースプロフィールをご覧いただければわかる通りのド平坦のスプリントステージだ。
レースはユトレヒトの街をスタートし各賞リーダーを先頭にパレードラン、途中一時停車してフランス国歌、オランダ国歌の合唱等のセレモニーが行われた。
小さな女の子がスタートのフラッグを振ったり、テープカットしたりと、自転車大国らしさがでていましたね。
アクチュアルスタートがかかり、クレメント(IAM)、バルタ(ボーラアルゴン)、ケムヌール(ユーロップカー)、フォンセカ(ブルターニュ)が0kmアタックをかけて逃げを試みると、スプリントを狙うチームもこれを容認しあっさりと逃げが決まる。
集団はエーススプリンターのカベンディッシュでステージ優勝を狙うエティックス・クイックステップ、マイヨ・ジョーヌを要するBMC等がコントロールして進み、最初の1時間を平均時速46.1kmで逃げた逃げグループとの差は2分半ほどまでひらく。
残り120km過ぎから風が強まり、雨が降り始めると、ティンコフ=サクソ、スカイ、アスタナ、モビスターの総合4強の各チームが集団前方の位置取りをして危険回避を図る。
残り105km付近でコンタドールの指示でティンコフ=サクソがペースアップし、バルベルデ(モビスター)、タランスキー(キャノンデールガーミン)、ルイ・コスタ(ランプレ)、ホアキン・ロドリゲス(カチューシャ)らの有力どころが分断されるも、残り95km付近でメイン集団と合流する。
残り80.5km地点に設定された中間スプリントポイントにさしかかると、逃げグループからバルタがアタックし先頭で通過、ペースを落とすことなく独走を図る。
集団からはデゲンコルブ(ジャイアントアルペシン)、クリストフ(カチューシャ)、サガン(ティンコフ=サクソ)、カベンディッシュ(エティックス=クイックステップ)ら各チームのスプリンターがアタックし、逃げた4人に続いて5~8位で通過した。
逃げグループの遅れた3名に中間スプリントステージ過ぎで追いつくも、クレメントとフォンセカがバルタを追い、再度3名での逃げとなり、メイン集団とのタイム差は再び1分差となる。
その後集団では小規模の落車が複数回発生し、ケルデルマン(ロットNLユンボ)、イギリスチャンピオンのピーター・ケノー(スカイ)、デ・ヘント(ロット・ソウダル)、今回でグランツール12連続完走を目指す“鉄人”アダム・ハンセン(ロット・ソウダル)らが落車。
60kmを切った辺りでメイン集団が逃げグループを吸収するとしばらくして大雨となり、レースは大混乱の様相となる。
ここで集団が再び分断され、4強の一角キンタナがサブエースのバルベルデとともに集団から切り離され、追走集団とメイン集団の差は45秒と大きく開いてしまう。
更にニバリ、マイヨ・ジョーヌのデニスも中切れにより集団から切り離されてしまう。
BMCはエースのティージェイ・バンガーデレンが集団に残っていたため、デニスを待つことなくそのまま集団でのポジションを維持。
終盤に差し掛かると、雨は止み陽がさし、風も一時よりはかなりおさまってくる。
残り25km付近で追走集団にいたニバリがパンクのアクシデント。アスタナは追走集団を引き続け、ニバリはチームカーの隊列を利用して自力で集団まで戻る。
残り15km付近で先頭を引いていたサガンがパンクし、集団への合流、ゴールスプリント勝負が出来るか危ぶまれるも、こちらもチームカーの隊列を利用して自力で集団まで戻る。
残り10kmを切った地点でコンタドール、フルームのメイン集団と、ニバリ、キンタナの追走集団との差は1分半までひらき、アスタナ、モビスターや総合系エースは追走集団に入っているトレック、FDJ、AG2Rが必死に先頭交代をして引き続けるも追いつくのは絶望的な差となる。
レースはいよいよ最終スプリントに向けペースアップし、エティックス、ロットソウダルがトレインを作るも少人数のため残り300mで発車される。
カベンディッシュ、グライペル、サガン、カンチェラーラが縦1列になって残り150mから全力スプリントを開始し、先頭のカベンディッシュに右からグライペル、更にその右からサガンが襲いかかり、グライペルが先頭でゴールに飛び込んだ。
グライペルのゴール前のトップスピードは67.03km/h。
僅差でサガンが2位、最後に踏みやめたカベンディッシュをかわしてカンチェラーラが3位に入った。
カンチェラーラは3位までに与えられるボーナスタイムで同タイムゴールのマルティン(エティックス=クイックステップ)を逆転してマイヨ・ジョーヌを獲得。
優勝したグライペルはスプリントポイント50ポイントを獲得してマイヨ・ヴェールを獲得。
レース全体の平均時速が47.6kmとド平坦ステージとはいえ、風雨の影響も考えればかなりのハイペースな厳しいレースとなった。
去年までと同様に勝ちきれないものの2位を確保したサガンはマイヨ・ヴェール争いでも2位につけているが、今年からスプリントポイントの配点が見直され、1着とのそれ以下の配点差が大きくなったので、着を拾うだけでマイヨ・ヴェール獲得が出来るかも今後の注目ポイントだ。
コンタドールのアシストとしての動きに徹するのかが注目のポイントだったが、今日の動きをみる限りではマイヨ・ヴェールの4連覇にもチャレンジしていくと思われる。
状況に応じて途中で切り替えてくる可能性はあるが、個人的には是非とも4連覇を成し遂げて欲しい。
4強のうち遅れたニバリ、キンタナの2名は結局1分27秒という大きなビハインドを背負うことになってしまい、今後の総合争いに早くも黄色信号が灯ってしまった。
もちろん、まだ始まったばかりで、明日、明後日のプチ北のクラシックステージやピレネー、アルプスで何が起こるか分からないけれど、、