ツール・ド・フランス観戦記 ~第12ステージ~

投稿者: カテゴリー: サイクルロードレース オン 2015年7月22日

この日もピレネーの山岳ステージで2級、1級、1級、超級というステージです。
獲得標高は3,448m、登坂距離にして47.1kmというステージです。
富士登山ですら5合目からは1,300mくらいしか登らないですからね。。約3,500mって。。

いつも通りまずは、ステージプロフィールを。

トーン、ドーン、ドーン、スバーーーン!!って感じ?笑
Stage12_Profile

2級も平均勾配9.7%と勾配高いですし、1級も当然1級というカテゴリーなので厳しいですが、超級は距離も15.8kmと長く平均勾配7.9%で所々9%以上の区間もあり破壊力抜群です。
Stage12_categoryH

この日は中間スプリントポイントがスタート後20km地点に設定されていたので、マイヨ・ヴェール争いをしているグライペルのために、アクチュアルスタート直後にロットソウダルが先頭を確保し、ロットソウダルの引きでレースが進む。

スプリントポイント手前でロットソウダルのトレインからグライペルが離れてしまい、それを待つかたちで一時ロットが控えるが、その隙にデゲンコロブを引くジャイアント=アルペシンが加速。サガン(ティンコフ=サクソ)はこの日も“無賃乗車”でデゲンコルブの前につける。

最初に腰を上げたのはサガン。グライペルは左に出して一気に加速しサガン捉え先頭に。
後ろからはデゲンコルブとカベンディッシユ。
先仕掛けしたサガンがやや減速したところをデゲンコルブが捉え、グライペル、デゲンコルブ、サガンの順で通過。
1位通過したグライペルは20ポイントを獲得し、3位通過のサガンに対し5ポイント上回り、マイヨ・ヴェール争いで2ポイント差まで肉薄した。

 

中間スプリントの後、ウェストラ(アスタナ)、コカール(ユーロップカー)がアタックし逃げの体制。メインチェス(MTNクベカ)がジャンプし3名となる。

 

逃げ3名を集団から飛び出した10数名のアスタナ、モビスターの選手を含む追走集団、更にその後ろをクビアトコウスキー(エティックス=クイックステップ)ら5名の第二追走が追う展開。
ほどなく残り170kmでコカールが遅れる。スプリンターが逃げるにはアップダウンが多くやや厳しいコースだったか。メイン集団と先頭逃げ2名は1分差。
その後、逃げ2名と追走集団は合流し、結局逃げ集団は22名の大所帯となった。

 

この日1つめの山岳、2級山岳登り口で集団との差は6分弱まで広がった。
最初の1時間は平均45kmとアップダウンがあるコースのわりには速いペースで推移している。

 

1級山岳の登り口では逃げグループと集団の差は8分半。
1つ目の1級は14.1km、平均勾配5.7%。
Stage12_category1-1

山頂まで残り1km付近まで来たところで雨が降り出し、中間スプリント後から逃げグループに乗っていたサガンが遅れていく。

1級を40分27秒で登りきった逃げグループは、頂上地点でも集団との差を8分半のまま維持。
さらに、下りでクビアトコウスキー、ヴァンマルク(ロットNLユンボ)、プライドラー(ジャイアント=アルペシン)が抜け出し、集団との差を12分まで広げる。

 

2つ目の1級山岳の登りに向け追走集団でアタック気味にペースが上がるが、メイン集団は相変わらずスカイが引いて淡々と進む。
2つ目の1級は12.9km、平均勾配6%。
Stage12_category1-2

プライドラー遅れ、やや集団との差が縮み始めたころ、追走集団が逃げ2名の後ろに迫り、ここで捕まるかと思われたがなんとかしのぎ切り、下りに入ってまた追走集団との差を25秒まで広げた。

1級の山頂で集団と先頭の逃げ2名との差は9分半。
残り20kmすぎから大粒の雨が降り始めた。

 

超級山岳の、登り口でメイン集団と先頭を行くクビアトコウスキーらの差は11分半。
登り始めて2km程でヴァンマルク遅れついにクビアトコウスキーの一人旅となる。
Stage12_クビアトコウスキー

 

追走集団もバラけ始め、4人になってしまった。下りで落車のメンチェス(MTNクベカ)も遅れてしまう。
集団ではマイカ(ティンコフ=サクソ)が先頭に出てペースアップし、コンタドールのためのスカイに対する攻撃を仕掛けるが、スカイのアシスト陣も動じることなく追走。

 

残り8キロ手前で追走集団からアタックしたホアキン・ロドリゲス(カチューシャ)が、ついに残り7.8kmでクビアトコウスキーを交わし、単独先頭。フグルサング(アスタナ)がこれを追う。
Stage12_Rodriguez1

 

メイン集団もついに有力選手たちが動きだした。
最初に動いたのはニバリ(アスタナ)。それに続いてバルベルデ(モビスター)がアタックするが、スカイのアシスト陣は動かず、ペースを保って走り続ける。程なくしてスカイが追いつきアタック第一弾は失敗に終わる。

すると今度はキンタナ(モビスター)アタック。

Stage12_Quintana

先頭を引いていたリッチー・ポート(スカイ)はここでお役ご免。
ポートに代わってスカイを引くゲラント・トーマスがすかさずチェックすると、今度はフルーム自らアタック。キンタナ、コンタドール、ヴァンガーデレン(BMC)が追い、一度集団が分裂するが、再度集団と合流。フルームとしてはライバル達の脚を量ったかたち。

集団が合流したところでバルベルデがカウンターで再度アタックするも、すかさずフルームがチェック。
Stage12_Valverde
フルームのアタックで離れていたゲラント・トーマスが戻ってきた。今回のゲラント・トーマスは本当に調子が良い様で、4強のライバルであるコンタドールやニバリよりよほど登れている。

 

先頭ではホアキンがそのままトップを守り、第3ステージに続く今大会2勝目をあげた。
ホアキンはうまく逃げに乗り、測ったかのごとく先頭を捉え経験値と実力を見せつけた。
Stage12_Rodriguez2

 

後方の有力勢達のグループでは、ゴール前でバルベルデがアタックし先着。
少し遅れてフルーム、キンタナ。さらに少し遅れてコンタドールが帰ってきた。

 

 

第12ステージ結果
Stage12_結果

 

第12ステージ終了後の総合順位
Stage12_総合