ツール・ド・フランス観戦記 ~第10ステージ~
この日は今大会初の山岳ステージで超級山岳の山頂ゴールです。
途中4級山岳を3つこなし、最後に“ドーン!!!!”って感じです。
最後の超級山岳は15.3kmで平均勾配7.4%。いや~考えただけでツラいですねぇ。。
登りのプロフィールはこんな感じで登り初めに最大勾配の10.8%があり、中間で9%以上の区間が約3km続きます。後半はやや緩やかになる感じです。
貧脚な筆者は12%の登りを1km程走っただけでもうヘロヘロでしたけどね。トップ選手たちってホントにすごいですよね。スプリンターでもタイムアウトせず一応登るんですからね。まぁ比べること自体間違っていますが。。
この日も0kmでアタックがかかり、ブルターニュのフェドリコ、コフィディスのヴァンビルセンが逃げる。
残り95km地点で14分半と今大会初めて大きなタイム差がつく。
集団はリーダーチームスカイとモビスターが引いていくが、この日最後に設定された超級山岳を意識してか比較的緩いペースで進む。
残り80km地点バルギル(ジャイアント=アルペシン)が落車し、一度立ち上がるも道路脇に倒れ込んでしまう。かなり痛がっていたが、何とか起き上がり再スタートを切る。
ボトル乗り上げて落車してしまった模様。
その後バルギルはなんとか途中で待っていたアシスト1名とともに、集団に戻ることができました。
チームメイトも心配そう。
この日2つめの4級山岳もヴァンセンが先頭で通過。
その後も特に大きな動きなく進むが、残り47km地点で集団との差10分を切り、次第に縮まっていく。
集団はFDJがコントロールしていたが、中間スプリントに向けスプリントチーム上がって、ロット・ソウダル、ジャイアント=アルペシン、が集団前方でトレインを組む。
マイヨ・ヴェールのサガン(ティンコフ=サクソ)はいつも通り一人で立ち回る。
ジャイアントトレインの3番目デゲンコルブ(ジャイアント=アルペシン)、その後ろにサガン、グライペル(ロット・ソウダル)、カベンディッシユ(エティックス=クイックステップ)と続く。
最初仕掛けたのはグライペル。そのままトップでスプリントラインに飛び込んだ。
続いて、カベンディッシユ、デゲンコルブ、デブシェール(ロット・ソウダル)、サガンで通過した。
サガンはロットのアシスト、デブシェールにも差されてしまったかたち。
これでマイヨ・ヴェールは再び3ポイント差でグライペルが取り返した。
残り35km手前、コンタドール(ティンコフ=サクソ)とキンタナ(モビスター)が今日2回目の同時トイレ休憩。アシストに引かれて戻る。
たまたまなのか、敢えて一緒に取ったのか、、、どっちだろう。。。
超級の登り口に向けてキャノンデール・ガーミン、IAM、AG2R、モビスターが集団先頭で位置取りをし、いよいよ今大会初の超級山岳が始まる。
超級山岳の登り口の手前、残り20kmで逃げ2名とのタイム差は3分49秒。
ティンコフ、キャノンデール・ガーミン、モビスター、スカイが引いて登り口入る。
逃げた2名では、残り14km切ったところでヴァンビルセンが遅れる。
集団も徐々にバラけ始め、ルイコスタ(ランプレ)、サガン、テクレハイマノ(MTNクベカ)などが遅れていく。
その後も集団は徐々に削られていき、40名ほどまで減る。
バルデとペロー(AG2R)、ピノー(FDJ)などこの日革命記念日を迎えたフランス期待の選手達も遅れていく。
残り11.5kmでヘーシンク(ロットNLユンボ)が集団からアタック。最後まで逃げていたフェドリコは集団に吸収された。
残り10km手前で4強の一角ニバリ(アスタナ)、ウラン(エティックス=クイックステップ)、モレマ(トレック)が遅れてしまう。
残り10kmでヘーシンクと集団の差は28秒までひらいた。
集団からジャンプしたバルス(ランプレ)がヘーシンクに追いつく。
残り9km手前でホアキン・ロドリゲス(カチューシャ)も遅れ、各チームのエースたちも徐々に落ちて行く展開。
そんな中、スカイはアシスト3人が残りフルーム引いてまだまだ余裕を見せている。
残り8km手前でこの日序盤に落車したバルギル遅れていく。
集団先頭ではバルベルデがアタック、残り7km切ったところでペースアップし、更に篩いにかけられていく。この篩いでコンタドールまでもがかかってしまった。
前はリッチー・ポート(スカイ)が引いてフルーム、キンタナ(モビスター)の3人になる。
残り6.4kmでフルームアタック。キンタナが追うも差はどんどん広がっていく。
残り3.8kmでフルームはキンタナに35秒、ヴァンガーデレン(BMC)に1分11秒、コンタドールに1分41秒、ニバリに3分32秒と、ライバル達に大きな差をつける。
頂上手前の緩斜面に入って、アウターで35km/hで爆走するフルームとライバル達とのタイム差は更に広がっていき、圧倒的な力を示してステージ優勝を飾った。
フルームを追ったキンタナにポートが追いつき、ゴール手前でついにキンタナを捉える。ポートがアタックするがキンタナはこれについていけず、そのままポートが2位フィニッシュし、スカイはワンツーフィニッシュとなった。
感想としては、もうフルーム強すぎ!!という1点に尽きます。
まだ半分以上のステージが残っていますが、アクシデントとかが起こらない限りフルームで決まりかなとしか思えないくらいの圧巻の走りでした。
ただ、各チームに大差をつけたので、一昨年の様なスカイ包囲網が形成され、アシストがバラバラにされたりする様なことがあれば逆転の可能性が全くないとは言えませんが。。
しかし、レース後のインタビューでの表情や言葉からは、やや“諦め感”が漂ってしまっていたので、このままフルーム独走もなくはないですね。
でも、観る側としては混戦の方が面白いので、是非他のチームは共闘してなんとか、フルームとの差を知縮めて欲しいものです。