ツール・ド・フランス特集③ ~各賞ジャージその1~
総合リーダージャージ「マイヨ・ジョーヌ」について紹介しましたが、今日はそれ以外のリーダージャージを紹介していきましょう。
各賞ジャージともマイヨ・ジョーヌと同様に、各ステージ終了時点で各部門の首位に立っている選手に各賞ジャージが与えられ、
翌ステージではそのジャージを着て出走することになります。
スプリントステージや山岳ステージで各リーダーがそのジャージを守れるのか、ジャージ奪取を狙って「逃げ」を仕掛けた選手が
逆転するのか等も見どころの一つです。
もちろんリーダージャージを着用することは栄誉あることで、1日でも長く着用出来る様に!!と選手は頑張るわけですが、
実は選手としての「成績」以外にもリーダージャージを着用する意味ってあるんです。
リーダージャージを着用している選手はもちろん注目度が高いのでTVに映る機会が多くなります。
他のスポーツの様に観客収入がなく(路上で観戦するので)、チーム運営資金の大多数をスポンサー広告料で賄っている
サイクリングチームとしては、この「TVに映る」ということは意外と大事なことだったりするんですね。
あまり広告効果がないなーとか、もう十分宣伝は出来たなーってことで、スポンサーが撤退してしまった瞬間に収入がほとんど無くなってしまい、
次のスポンサーが見つからないとチーム運営を継続できず解散って憂き目にあってしまいます。。
実際無くなっちゃったチームは数知れず、、、(>_<)
まさに目立ってなんぼなんです!!
また、スポンサーにあわせて、チーム名が変わったり、コーポレートカラーに合わせてユニフォームが作られるので、
サッカーや野球の様にこのチームのユニフォームは「伝統的にコレ」といったものではないのもサイクルロードレースの特徴です。
だいぶ話が脱線してしまったので、そろそろ本題に、、、
最速の証 マイヨ・ヴェール(maillot vert)
各ステージのゴールやステージの途中に設定されているスプリントポイント(地点)の到達・通過順位に応じて設定された
スプリントポイントをもっとも多く獲得した選手にマイヨ・ヴェールが与えられます。
ヴェールはフランス語で緑を意味しますので、英語でいうとグリーン・ジャージですね。
スプリントポイント賞というとスプリンターが獲得しそうなイメージですが、実際はそう簡単ではありません。
もちろん平坦ステージのゴール争いはスプリンター達の最速勝負なのですが、ゴール前以外の地点にもスプリントポイント(地点)が
設定されていることがミソで、グランツール等の山岳ステージが多いレースでは、山岳ステージの中間スプリントポイント(地点)や
緩やかな登りゴールでポイントを積み上げマイヨ・ヴェールを獲得するということも珍しくありません。
現在マイヨ・ヴェールを3年連続(2012、2013、2014)で獲得中のペーター・サガン(ティンコフ=サクソ)がまさにそのいい例かと思います。
サガンはスプリント力ももちろん秀でていますが、ピュアスプリンターではなく、パンチャー型のいわゆる『登れるスプリンター』です。
そのためスプリントステージのゴール前スプリントは、マルセル・キッテル(ジャイアント=アルペシン)や
マーク・カヴェンディッシュ(エティックス・クイックステップ)等のピュアスプリンター達に対してはやや分が悪く勝ち切れていないのが
ここ数年の印象ですが、きっちり上位でゴールしポイントを稼ぎつつ、ピュアスプリンターが遅れがちな山岳ステージ等のスプリントポイント(地点)で
ポイントを加算し、首位に立つといった感じです。
サガンの4連覇がなるか注目ですね。ツール・ド・スイスでも調子はよさそうだったし、個人的には頑張って欲しい!!
脅かす存在としては、キッテル欠場によりエースとして参加する同じ『登れるスプリンター』の
ジョン・デゲンコルブ(ジャイアント=アルペシン)かなーと。
あと2つの山岳賞、新人賞も書こうと思いましたが、長くなっちゃったので続きはまた、、、