とことんロードバイク

【レース詳報】2016ジャパンカップサイクルロードレース

2016年10月23日(日)絶好の秋晴れの中、宇都宮森林公園で第25回ジャパンカップサイクルロードレースが行われました。

今年も昨年同様に14年大会までの最終周回コースを利用した1周10.3km×14周回、総距離144.2kmのコース。
これまでも幾度となく勝負と決する闘いが演じられた古賀志林道の登りは、平均勾配9.2%、94mの標高差を一気に駆け上がります。登坂距離は約1kmと短いためスプリンター系の選手でもこなすことは出来ますが、勝つためには以前よりも登坂力が求められるコース設定になりました。

レースは、最終周回の古賀志林道登りでアタックを仕掛けたキャノンデール・ドラパックのダヴィデ・ヴィッレッラ(イタリア)がそのまま独走し、キャリア初となる勝利をあげました。
2位はクリストファー・ユール・イェンセン(デンマーク、オリカ・バイクエクスチェンジ)、3位はロバート・パワー(オーストラリア、チーム同)が入りました。

 
 

◉レーススタート

UCIワールドチーム6チーム、UCIプロコンチネンタルチーム2チームを含む海外チーム9チームと国内チーム6チームの全15チーム、73名の選手がスタートラインに着き、午前10時、佐藤栄一宇都宮市長の号砲でレースがスタート。

注:ノボノルディスクとアタッキの画像がありません。ファンの方申し訳ありません。



スタート直後の1km地点から始まる古賀志林道の登りで、スタートサインのインタビューで逃げ宣言をしていた堀孝明(宇都宮ブリッツェン)、井上和郎(ブリジストン・アンカー・サイクリングチーム)、マッティ・ブレシェル(デンマーク、キャノンデール・ドラパック)、マルコス・ガルシア(スペイン、キナンサイクリングチーム)の4名がアタックを仕掛け、さらに安原大貴(マトリックス・パワータグ)とベンジャミン・ヒル(オーストラリア、アタッキ・チームグスト)がメイン集団からブリッジをかけ、追いついたヒルを含む5名が逃げる展開でレースが進む。

 

◉レースはUCIワールドチームがコントロール

メイン集団では逃げに乗ったキャノンデール以外のUCIワールドチームから各1名が前に出てローテションしながら集団を牽引。

3周目の古賀志林道頂上に設けられた1回目の山岳賞は、ガルシア、ヒルとの争いを制した堀が獲得。
6周目には今シーズン限りでの現役引退を表明している井上が、クリテリウムレース後のインタビューでの宣言通りに山岳賞を獲得。前日のクリテリウムスプリント賞に引き続き2日連続の表彰台を確保。

この日は大逃げが容認されることはなく、逃げと集団のタイム差は終始2分半以内でレースが進んだ。

大きな動きなく周回を重ねていくが、5名の逃げの中から8周目にヒルが、11周目には井上が遅れてしまった。
その後ランプレ勢も前に出て集団のペースはアップ。徐々に逃げグループとの差が縮まっていく。

 

◉古賀志でアタックし独走逃げ切り

ラスト2周に入るスタート/フィニッシュライン上で宇都宮ブリッツェンが大外から仕掛け、隊列を組んでスピードアップし古賀志林道に突入。
これにオスカル・プジョル(スペイン、チーム右京)やクリストファー・ユール・イェンセン、ロバート・パワー、シモーネ・ペティッリ(イタリア、ランプレ・メリダ)が続く。
その後アタックが繰り返されるも古賀志の登りでも平坦区間でもチェックが入り抜け出すまでには至らない。
そんな中ラスト1周のスタート/フィニッシュライン手前でペティッリが抜け出し、ラスト1周に飛び込んでいった。

クリストファー・シェルピング(ノルウェー、キャノンデール・ドラパック)が古賀志の登り口までヴィッレッラを牽いて発射。ユール・イェンセンとモーリが追うも、これを引き離し独走態勢に。

最終周回の古賀志林道登りでアタックし抜け出したヴィッレッラ
©Makoto.AYANO/2016JAPAN CUP CYCLE ROAD RACE

古賀志を下り、約1kmの平坦区間を終え、田野町の交差点を過ぎた残り2km地点でも後続との差は縮まらない。

残り2km。後続の引き離して独走するヴィッレッラ
©Makoto.AYANO/2016JAPAN CUP CYCLE ROAD RACE

追走から単独アタックを仕掛けたユール・イェンセンを振り切ってヴィッレッラが初優勝。

ヴィッレッラがそのまま後続を振り切り優勝
©Makoto.AYANO/2016JAPAN CUP CYCLE ROAD RACE

仮面をつけたチームメイトから祝福を受けるヴィッレッラ

表彰後のインタビューでは、「今年は調子がよかったので、勝ててとてもハッピー。また来年も戻ってきたい。」と来年向けた言葉も。

また、副賞としてチョコレート出来たアーチをプレゼントされ、インタビューの最後に「(嫌いだと困るので)チョコレートは好きですか?」との質問に、「好きすぎて問題です。」と会場の笑いを誘っていた。
ちなみに隣にいた2位のイェンセンからは「嫌いなら食べてあげるよ」との声が。

 
《ジャパンカップリザルト》

 
《山岳賞》
1回目(3周)堀孝明 (宇都宮ブリッツェン)
2回目(6周) 井上和郎 (ブリジストン・アンカー・サイクリングチーム)
3回目(9周) マルコス・ガルシア(スペイン、キナンサイクリングチーム)
4回目(12周) マルコス・ガルシア(スペイン、キナンサイクリングチーム)

山岳賞表彰式。
左から、堀孝明(宇都宮ブリッツェン)、井上和郎(ブリジストン・アンカー)、マルコス・ガルシア(キナンサイクリングチーム)

 
《最優秀アジア選手賞》
新城幸也(ランプレ・メリダ)

最優秀アジア選手賞表彰式。新城幸也が昨年に引き続き獲得。

 
《U23最優秀選手賞》
ロバート・パワー(オーストラリア、オリカ・バイクエクスチェンジ)