2016年10月22日(土)、JR宇都宮駅前の宇都宮市大通りに設けられた特設コースでジャパンカップクリテリウムが行われ、トレック・セガフレードの別府史之がゴールスプリントを制し見事2連覇を果たしました。
◉序盤はアタック合戦
15:40に公益財団法人JKAの吉田会長の号砲でスタートが切られると、このレースが現役最後のレースとなるファビアン・カンチェラーラ(スイス、トレック・セガフレード)に敬意を払いアタックがかかることなく、1周目の2回目の折り返し地点までカンチェラーラを先頭にゆったりとしたパレード走行の様なペースのままレースは進行。
2回目の折り返し地点を過ぎてようやくアタックがかかり本格的にレースがスタート。
BMCのリーンハルト(スイス)やクリテリウムスペシャルチームとして参戦のエドヴァルド・ボアッソンハーゲン(ノルウェー、ディメンションデータ)らがアタックをするもなかなか逃げが決まらない。
周回最後のスタート/フィニッシュラインにスプリント賞が設定されている4周目の1回目の折り返し直後にコース内から新城幸也がアタック、それにBMCのマヌエル・クインツィアート(イタリア)、幸也のいとこである那須ブラーゼンの新城銀二が反応。
アタックが決まるかと思われたがブリジストン・アンカーが先頭を牽いて結局これを吸収、周回最後に設けられたスプリント賞は吸収したタイミングで後方からジャンプした井上和郎(ブリジストン・アンカー)が獲得した。
レース後に「狙ってなかったです。幸也が取りに行くかなって思ったんですけど、幸也には申し訳ないことをしてしまいました」と語っていました。
新城幸也も「まんまと和郎さんに持ってかれましたね。さすがです。」と笑顔で語っていました。
その後アタックと吸収を繰り返してむかえた7周目のバックストレートでBMCのジョセフ・ロスコフ(アメリカ)とアタッッキ・チーム・グストのベンジャミン・ヒル(オーストラリア)がアタックし、ここでやっと逃げが容認。
◉中盤はトレック・セガフレードがコントロール
逃げる2名はロスコフがいいペースで牽き続けそのまま8周目スプリント賞を獲得。集団はトレック・セガフレードが隊列を作って牽引し、その後ろにオリカバイクエクスチェンジBMCが続き、レースが一旦落ち着いた。
ディフェンディングチャンピオンの別府史之はスプリントに備えてトレックの隊列の一番後ろに待機。
大きな動きはなく周回を重ね、終始先頭を牽き続けたロスコフが12周目のスプリント賞も獲得。
13周目に入ったところでボアッソンハーゲン、オリカのクリストファー・ユール・イェンセン(デンマーク)が仕掛け、更にそれを交わしてBMCのテイラー・フィニー(アメリカ)、キャノンデール・ドラパックのダヴィデ・ヴィッレラらが仕掛け一気にペースアップ。集団は縦長の棒状となった。
◉チームワークで掴んだ勝利!!
14周目モレマとラストが既に下がってしまったトレックは再びカンチェラーラが牽引し、アタックしたクインツィアートを吸収。
そのままカンチェラーラが先頭を牽き続け、数々の偉大なる勝利を重ねてきた選手生活最後の周回に入っていった。
折り返し地点手前でスカイのアレックス・ピーターズ(イギリス)がアタック。オリカもペースアップしたところでカンチェラーラが仕事終え、別府のアシストは発射台のジャスパー・ストゥイヴェンだけとなり、オリカが今年のパリ〜ルーベの覇者マシュー・ヘイマンを牽いて先頭に立つ。
最後の折り返し手前で宇都宮ブリッツェンが大外から仕掛けて先頭を奪い取ったが、ストゥイヴェンが折り返しのコーナーでインを取りそこから全力でリードアウトし、残り250mで別府を発射。
別府の番手からブリッツェンの大久保陣、その後ろからマヌエーレ・モーリ(イタリア、ランプレ・メリダ)、ジョン・アラベストゥリ(スペイン、チーム右京)がスプリントするもそのまま別府が押し切り2連覇を達成。
ファビアン・カンチェラーラをはじめチームメイトが最高の仕事をしてくれていたので、「当然勝つしかない」と思っていたという別府。
「見ました?あのチームワーク!!パーフェクトです!!ウチのチームの完全勝利です。」との言葉通りチーム一丸となってみごと2連覇を達成しました。
選手のバイクに取り付けられたカメラによるオンボード映像が大会公式YouTubeチャンネルに掲載されています。
選手目線の迫力ある映像も是非ご覧ください。